プリティーリズムに出てくる曲はヤバい
(注:口語体と文語体が不安定です)
『プリズムショー』と『マイソング』
プリティーリズムの魅力の大きな一つとして欠かすことができないのは、音楽、曲だろう。
それも、BGMやOP,EDのような意味でではなく(もちろん、それだって素晴らしいが、ここでは一先ず)、作中で登場人物たちが歌い、踊るための曲だ。
所謂、作中曲とも呼ばれるそれらは、プリティーリズムの魅力をより一層引き立て、また決して小さくはない一部分として存在している。
そもそもプリティーリズムのストーリー概要、というか世界観として、『(主として)少女たちが、プリズムショーと呼ばれるフィギュアスケートのような競技において、それぞれのショーを磨く』というものがある。
因みにこれは、レインボーライブのみならず他シリーズにおいても凡そ同じと思ってもらってもいい。
その『プリズムショー』のBGMとして、少女たちは、多くの場合『マイソング』と呼ばれる、自分に合った(自分に合わせて作った、作ってもらった)』曲を歌いながら踊る。
そのマイソングが、このアニメの醍醐味の一つなのだ。
たとえば、先の記事でも紹介した、メインヒロイン彩瀬なるのマイソングは『ハート❤イロトリ❤ドリーム』という曲名である。私はこの曲がお気に入りなので、当記事では一例としてこの曲を紹介させてもらう。
――だがその前に、なるというキャラクターについて、軽くではあるが紹介させてもらおう。
彩瀬なる
外見 http://www.pixiv.net/tags.php?tag=%E5%BD%A9%E7%80%AC%E3%81%AA%E3%82%8B
プロフィール
中学2年生。趣味は何でも可愛くデコってみること。好物はホットミルク。属性はラブリー。
初め、プリズムショーを自分でやったことはなかった。
口癖は『ハピなる』『なんとかな~る~』など。
個人的所見
とにかく『可愛い』『ラブリー』をテーマにしたような少女。ちっちゃくて可愛い。
両親に愛されまくって育った感じのピュアすぎる子。常に目がきらきらしていて(それこそ心のきらめきが常にあって)、小さい身体ながらに大きなハート(曰く、心は大きく太平洋)を持つ。なんというか女児向けアニメ。
登場人物のほとんどに対して好き好きオーラを放っていて、カップリング脳で見るとちょっと大変。
自分の名前を口癖にする(でも一人称は『わたし』)辺り、なんていうかハピなるな子。
見てると元気が出る。ハピなる。
――と、まぁこんなキャラです。
で本題はその彩瀬なるのマイソングがどんな曲か、ということ。
はっきり言って、電波ソングです。
まず初っ端から
『ハーピーハーピー ハピーなるー♪』
と来る。
うわぁもうこれ彩瀬なるのマイソングじゃん。それ以外になるわけないじゃん。
と、初っ端で理解させられてしまう。
因みにメロディまでラブリー。
だが、この曲はただ電波的なだけではない。そうであったら、わざわざ紹介などするはずもない。
私は、この曲に大きな魅力があると思ったから、こうして紹介する例として選んだのだ。
この曲の歌詞に
隣の友達と 手をつないでみたら そのまた隣とも つながりました
というものがある。
なんて、なんてきらめいているんだ……!
(プリズムショーは、なんて素晴らしいんだ……!)
まるで『みんなのうた』のようだとすら言えるじゃないか!
しかも、
遠くに見えてる虹も すぐにね 絶対届くよ
と歌詞は続くのだ。
今すぐにでも隣の人と手をつなぎたくなってしまう。
それだけではない。
私は、こんな文言にめろめろにされるような人間ではない。
勿論この後にさらにこの曲の魅力を紹介するつもりでいる。
しかし、しかしである。
一先ずは、先ほど引用した歌詞をしっかりと意識に留めておいてほしい。
この、キラキラしていて希望に満ちた歌詞を留意しながら、次に見て欲しい歌詞は、こちらだ。
スキキライなしだと 笑っていたけれど
一番好きなこと なんだったっけ?
――どうだろう。
この歌詞を見て、感じることはないだろうか。
勿論、読者の方々が何を感じるかではなく、私がどう考えているか、私自身が読者の方々どう考えて欲しいかを記すのが、この記事だ。
しかし少しの間だけでいい。
自分なりの解釈や、読者ご自身にとってのこの歌詞を、考える時間をいただきたい。
――さて、ではそろそろ、私が考えるこの歌詞について、説明させてもらおう。
まずは、彩瀬なるというキャラクターについて思い出して欲しい。
先ほど記した通り、なるはラブリーを形にしたような、希望にあふれた少女。
そんな彼女が、『一番好きなこと なんだったっけ』と自分に問うのだ。
ほんの少し前には『隣の友達と手をつないだ』ことや『虹に届く』なんてことを歌っていた彼女が。
友達と手をつなぐこと、さらにそこから友達の輪が広がっていくこと、それによって虹にも手が届きそうだ、という気持ち。
そしてさらには『ハピなる』という感情。
それらを十分に知っているはずの彼女が、実は自分の好きなことさえ、解らなくなってしまう。
友情や幸せは見つけられる彼女にも、自分の好きなことを自分で決める、そんなことが難しいと気づく瞬間が来る。しかし、難しいそれは、何よりも大切なことである。
――そんなメッセージを、彼女は明るい曲調で歌う。踊る。
勿論、歌詞の続きでは、解らなくなってしまった『迷子の私を さぁ今すぐに 探しにいかなきゃ』とポジティブに歌っている。
いまさらな話であるが、プリティーリズムというアニメは主として女児をターゲットにした女児向けアニメである。
彩瀬なるというキャラクター、そして彼女のマイソングのほとんどの部分は、女児にウケるような明るく可愛らしい雰囲気で形成されている。
だが、そんな中で『一番好きなこと なんだったっけ』という、誰しもぶつかり、自らに答えることも難くなってしまう可能性のある、深く広い問いを投げかける。
私は、このハート❤イロトリ❤ドリームという曲は、『キャッチーなメロディと導入で心を掴んでから、何よりも大事なメッセージを送る』という構成になっているのだと考えている。
――さて、長くなってしまったが、本題は『プリティーリズムに出てくる曲はヤバい』というものだ。
先ほど紹介させていただいたハート❤イロトリ❤ドリームのほかにも、数多くのマイソングが作中に登場する。
そしてさらに、それらのマイソング、またそれを歌うキャラクター、或いはマイソングの製作背景にさえも、それぞれの背景やストーリーがあって、それがまた、それぞれのマイソング、キャラクターについて深く考えさせられる要因にもなっている。
その奥深さは、いくつ記事を割いても足りないほどだ。
いくつかは長短問わず紹介していきたいとも思っているが、全て出来るか、と言われればイエスとは答えがたい。
なのでもし、この記事においてプリティーリズムの曲に関してご興味を持たれた方には、ぜひともプリティーリズムの鑑賞を通して自らさまざまなことを感じていただきたい。
当ブログで紹介できなかった曲やストーリーについて、また、当ブログとは違った視点からの解釈、違った解釈等々、それこそ十人十色あることだろう。
またもし、それを誰かに伝えたい、という方については、その伝え方、伝える方向について、私に教示する、という選択肢をぜひとも加えて欲しい。
色んなことを、色んな思いを、私は知りたい。
なぜなら私も、彩瀬なるのように、ハートを色とりどりに、夢のように飾りたいから、だ。